セミナー情報

ICTE 情報教育セミナー みなとみらい
教科「情報」新科目で問題解決力の育成を考える

日時:平成22(2010)年7月28日(水)  13:00~16:40
会場:神奈川大学みなとみらいエクステンションセンター KUポートスクエア (クイーンズタワーA 14階)

研究会の様子

13:00 開会挨拶
  小林道夫(神奈川大学附属中・高等学校教諭)
13:10~14:20 実践発表 「社会と情報」の授業をどのように組み立てるか
  大貫和則(茗渓学園中学校・高等学校教諭)
今回は,大貫先生より平成25年度より実施予定の「社会と情報」の授業案を紹介して頂いた。前半は「社会と情報」の概要について,後半は広告研究の授業について取り上げ,その授業展開についてお話しして頂いた。

○情報科を学ぶ意義
・賢い市民になる。情報化社会を賢く生きていく。次の社会を作っていく生徒たちに,どのような社会を作り出していけばいいのか,情報技術が何を変えていくのかを考えてもらう。そこから,意識や態度を育てていく。
・コミュニケーションツールの知識や技術を学ぶことや,人に情報を伝えることの楽しさや難しさを生徒に実感してもらうことで,より良いコミュニケーションを作り出す。

○「社会と情報」の授業づくり
「社会と情報」の内容は,次の3つを結びつけて考えることが大切である。
技術:正しく使うためや誤解しないために技術のしくみについて学習する。
人:身近である,必要性を感じるところから,自分との関わりを理解する。
社会:みんなの幸せ,秩序のある社会を目指し社会の仕組みについて学ぶ。
人と結び付ければ,自分に関わりのある問題として捉えることができる。また社会と結び付ければ,社会のあり方に関する問題に発展できる。しかし,現在の教科書にはそれらが書かれておらず技術に偏っている。また,教科書ではページ数の都合上3つのバランスをとることが難しいだろう。そのため,教師がバランスをとることが必要である。

次に実際に授業で行っている広告研究について説明し,模擬授業的に広告分析のワークショップを行った。

○広告研究を題材にする理由
・身近な存在
・表現の宝庫
・生活の見直し
・消費社会の仕組み

○広告研究の授業の流れ
まず,広告やブランドの役割を学ぶ。消費者行動や,「ブランドとは」というところがスタートである。次に,広告表現を理解する。キャッチコピーが何を表現しているのか読み解く。また,図や写真やレイアウトなどにはどのような役割があるのか理解する。最後に広告分析を行う。広告を選び,分析し,発表用ポスターを制作する。完成したら発表する。この1つのカリキュラムを10時間かけて行っている。

○広告分析
実際に,授業で使用しているワークシートで先生方に広告分析をして頂いた。ワークシートは,キャッチコピーやターゲット,表現上の工夫など細かく分類されている。そこから,キャッチコピーには,どのような意味や意図があるのか,ターゲットは誰なのか,表現上の工夫(レイアウト,色彩,写真など)から読み取れることは何かなど,丁寧に分析を行った。そして,最後にグループを作りディスカッションを行った。




14:40~16:40 ワークショップ 「情報の科学」でレゴを使った問題発見と問題解決
  小林道夫(神奈川大学附属中・高等学校教諭)
小林先生からは,情報科の学習指導要領が変わることにより,何が生徒に求められるか説明をして頂いた。そして,それを現実する方法の1つとしてレゴマインドストームを使った問題発見と問題解決の授業を紹介して頂いた。

○新学習指導要領
新学習指導要領を簡単にまとめると,小,中学生は問題発見,解決を身につけさせるために物作り体験が重要とされている。高校生になると,コンピューターを活用した問題発見,分析,解決を学ばせることが必要になっていく。

○情報の科学的な理解
問題解決の手順と結果の評価,アルゴリズム,プログラミング演習,モデル化,シュミレーションなどの理解を深める必要がある。そのため,センサーを使ってロボット制御ができるレゴマインドストームを使用した今回のようなカリキュラムが有効である。

○レゴマインドストームとは
ブロックを組立ながら,建造物,車,ロボットを作ることができる。センサーをロボットに搭載し,自立型ロボットを作ることができる。

○授業でどのように取り入れているか
1:単元説明,ロボットの組立,解体
2:ロボットの組立,プログラミング,動く仕組み
3:センサーを使ったロボット制御で様々なプログラムを制作
4:競技会の説明とプログラミング
5:ロボットの調整,ロボット競技会
6:ロボット競技会,単元まとめ
上記のような6時間のカリキュラムになっている。ロボットは2人1組のチームで協力しながら作業していく。

○ロボット組立
授業と同じように,先生方に2人1組になってもらい,実際にロボットの組立をして頂いた。授業では,パソコンでロボットの動きをプログラミングし本体に入れるのだが,今回はロボット本体から簡単なプログラムを入力し動作を確認した。また,ライン上を進むようにプログラミングされたロボットをコースで動作させた。小林先生からは,授業でおさえるべきポイントの1つとして,ロボットがどのようにラインを判断して進んでいくかについての説明があった。ロボットのプログラムされた通りの動きに先生方からは「おー」と歓声があがった。

○まとめ
レゴマインドストームを導入することによって,以下のことを学習させることができ,新学習指導要領で求められているコンピューターを活用した問題発見,分析,解決を生徒たちは身をもって体験することができる。
・動く仕組み,エネルギー変換,センサーの動き
・アルゴリズム,プログラム制御
・ロボット動かしながら問題点を発見
・解決策を考えプログラムやロボットを改良
・エンジニアリングやプログラミングへの興味