セミナー情報

第34回ICTE情報教育セミナー in Keio
―日本のICT教育の方向性―

日時:平成19年5月12日(土)  10:30~16:40
会場:慶應義塾大学三田キャンパス(北館ホール)

研究会の様子

10:30~10:45 会長挨拶
  水越敏行 (大阪大学名誉教授/ICTE会長)
10:45~12:00 話題提供
  司会:田邊則彦 (慶應義塾湘南藤沢中・高等部教諭)
フィンランド教育視察報告
福島毅(千葉県松戸市立松戸高等学校教諭)

1月に視察したフィンランドとデンマークの教育事情について述べた。意味づけから入る学習,社会構成主義的な学習概念,おちこぼれを出さない教育,作品創作型授業など,日本との相違点について言及した。それを現場へと持ち帰り実践している。自学自習を助けるプリント学習の取り組みやCMSを活用したシステムでの取り組みを紹介した。
『交流』を名詞から動詞へ―英語科教員の視点からの日中交流プログラム―
望月真帆(早稲田大学本庄高等学院教諭)

昨年度行った中国との交流事例について,教育プログラムへの留意点や評価などの観点を述べた。交流を通して変容していく生徒の様子など,実際のビデオ映像を交えながら紹介した。交流を目的とするのではなく,何かのために交流しよう,という姿勢が大切である,と締めくくった。
13:00~14:50 パネルディスカッション
  日本のICT教育の方向性
  司会:田邊則彦(慶應義塾湘南藤沢中・高等部教諭)
  コーディネータ:水越敏行(大阪大学名誉教授/ICTE会長)
Innovative Teachers Network(ITN)2007カンボジア大会報告
佐々木優子(茨城県立石岡第二高等学校教諭)

ITN大会で発表した「ORIGAMI売り込み大作戦」の授業実践を紹介した。その後,ITN大会で見えた各参加国の教育事情や,グループワークで学んだコラボレーション・コミュニケーションの大切さについて言及した。ユネスコの見解に触れ,ICT教育はディジタルデバイドを推進するようなものではあってはならない,世界全体を考えなければならないのでは,と締めくくった。
日本のICT教育の方向性
黒田卓(富山大学准教授)

これからの時代を生き抜く力に触れ,「生きる力」や「確かな学力」が何を意味しているか今一度確認してほしい,と述べた。また,教育CIO設置への動きや,アメリカにおける教育CIOの調査の概要,学力の二極化が起きている現状,ICT環境や先生のICT活用能力が生徒に及ぼす正の影響について説明した。これらを受けて,日本の教育を変えるタイミングをはからなければいけないのでは,とまとめた。
子どもたちがつくるICT時代
平野秋一郎(メディア教育開発センター特定特任教授)

受信から発信が主流となってきている時代の変化の中で,ブログ,SNS,プロフ,携帯小説など,子供達はすでに多くのシステムを活用している。そのような流れに合わせて,子供達が主体となり,発信を中心としたICTの活動をしながら考え学ばせていくことが大切なのではないか,との見解を述べた。
ICT in Education in Korea : Focusing on Secondary and Higher Education
鄭仁星[JUNG,Insung](国際基督教大学教授)

韓国における2000年代のICT教育の変化について述べた。中央政権からトップダウン的に進められた環境の整備やICT活用を盛り込んだカリキュラム,先生のトレーニングシステムなど,ICT教育が進んでいると言われている韓国の状況について説明した。一方で,大学入試のための勉強と情報教育とで板ばさみとなっている問題についても言及した。
15:00~16:30 基調講演
  「学びの風景」を変える:東京大学教育環境リデザインプロジェクトの挑戦
  講師:中原淳(東京大学准教授)
東京大学の教育環境リデザインプロジェクトの紹介をした。スタジオ教室とよばれるITを活用した教室を設け,学生が課題を探しまとめ発表する,といった授業を行っている。この授業の目的は,フラット化していく社会の中で代替不可能である人材,つまり,自分で課題を発見し解決していける人材を育てる,ということである。これらの大学での取り組みを受けて,高校で取り入れられるエッセンスについて会場で話し合ってもらい発表してもらった。最後に,どういう人材を育てたくて情報教育を行っているのか,目的は何であろうか,と問いかけた。
16:30~16:40 各地のICTE活動報告,閉会
   田邊則彦(慶應義塾湘南藤沢中・高等部教諭)