セミナー情報

第36回ICTE情報教育セミナー in 北陸
~北陸発!情報教育の地平を求めて~

日時:平成19(2007)年12月2日(土)  10:00~16:45
会場:高岡市生涯学習センター(ウイングウイング高岡5階)

研究会の様子

09:30~ 受付開始
10:00~12:00 ワークショップ
  「情報教育」を再考する!
  江守恒明(富山県立砺波高等学校教諭)
  田邊則彦 (慶應義塾湘南藤沢中・高等部教諭)
参加者を,小・中・高の先生が混ざるように6つのグループに分け,プレゼン指導について実践内容などを報告しあった。各グループからは,以下のような意見があがった。
・小・中・高でやっていることが同じではないか。
・高校には学びがないのではないか。
・高校では,全部が情報任せとなっているのでは。
・小・中・高通してのスパイラルな学習モデルは構築できるだろうか。
その後,時期指導要領のパブリックコメントにむけて,情報教育の問題点やこうなるべきということを参加者が書き,まとめた。


13:00~13:45 事例紹介
  北陸発!!最新ICT活用教育実践の紹介
  司会:黒田 卓(富山大学准教授)
ミュンヘン・ニューデリー日本人学校との交流学習
村井万寿夫(金沢星稜大学准教授)

ミュンヘン・ニューデリーと日本の小学校とで行なっている交流学習を紹介した。写真4枚の組写真と言葉用で掲示板を用いて交流している。
地上デジタルテレビ放送の教育活用促進事業
今堀俊彦(富山県教育委員会県立学校課指導主事)

デジタル放送を活用した実践について紹介した。デジタル放送は,高画質で,自動・生徒の関心が引けるという良い面がある。効果的に使うにはどうしたらいいか,研究していると述べた。
定時制・通信制ステップアップ事業及びチャレンジ事業
櫻野克也(富山県教育委員会県立学校課指導主事)

e-ラーニングの効果的な活用法について調査するため実践を紹介した。 基礎・基本学力の向上の向上や,生徒が学習成果を確認できるなどの,良い成果が見られた,と述べた。
13:45~14:30 ディスカッション
  事例から何を学び,実践にどう活かすか
  中川一史(メディア教育開発センター教授)   黒田 卓(富山大学准教授)   村井万寿夫(金沢星稜大学准教授)
交流学習など,良いということはわかってはいるが,人がいない,時間がないなどの問題が現場にはある,という意見が挙がった。優れた実践が単発で終わらないよう,研修などで取り組みを広めていく必要性があると述べた。また,先生の努力でできること,できないことを線引きし分けて考えていくことが大切である,などの意見が出た。
14:45~16:45 シンポジウム
  情報教育の過去・現在から未来を展望する
  コーディネータ:黒上晴夫(関西大学教授)
後藤忠彦(岐阜女子大学教授)

教育とコンピュータの関わりということでは,e-ラーニングの原型からはじまっている。ネットワークを用いたグローバルな実践が,もっと発展していくかと考えていたが,現状では進まなかった。コーディネートする教師の側にそのような教育がなされていないのでは,と述べた。
水越敏行(大阪大学名誉教授/ICTE会長)

色々な国でのコンピュータの多用な使われ方を紹介した。コンピュータでマルチメディアを扱うようになってきていることに言及し,映像の批判的な見方などを教えていく必要があるのではないか,と述べた。
山西潤一(富山大学教授)

情報社会を理解するためには情報の科学的理解を持つべきである,と述べた。イギリスの情報教育に触れ,日本においても体系化をしていくことが大切である,と述べた。
生田孝至(新潟大学教授)

これからの情報教育というのは,メディアリテラシーやクリティカルな思考がポイントとなってくる。学問的要性としての情報教育を考えなければならない,と述べた。